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March 10, 2004

最高級超音波診断装置Aplio™の最新臨床技術 アプリケーションソフトウエア「Innovation2004」の発売について ― 世界各国(日・米・欧)の先生方の意見から生まれた技術が、臨床分野で更に役立ちます ―

東芝メディカルシステムズ株式会社(社長:桂田 昌生 本社:栃木県大田原市)は、医療施設の診断から治療にわたるあらゆるニーズへのトータルソリューションを提供する、国内市場における画像診断機器のトップメーカーです。

最高級超音波診断装置 Aplio™(アプリオ)用のアプリケーションソフトウエア群「Innovation(イノベーション)2004」を本日から発売し、4月8日から横浜で開催される国際医用画像総合展(ITEM2004)に出品いたします。

「Innovation2004」は、世界各国の超音波医学の臨床現場で活躍されている先生方の意見を反映して開発されたまったく新しいソフトウエア技術で臨床に役立つ数々の機能の総称です。「MFⅠ」、「IASSIST™(アイアシスト)」、「BTプローブ」、「CHI-Q」で構成され、「MFⅠ」は、世界で初めての高い分解能で血流像を描出するので、特に乳腺・表在臓器、または腹部臓器の微小循環等、低流速で血液が灌流する臓器の観察に役立ちます。「IASSISTT™(アイアシスト)」は、超音波検査におけるほとんどの操作をワイヤレスリモートで可能とすることにより、楽な姿勢で検査スキャンを行うことができ、画像観察に意識を集中することができます。「BTプローブ」は、空間分解能の向上と、受信の高感度化による優れたペネトレーション(透過性)を実現しました。「CHI-Q」は、関心領域での造影剤の変化を正しく定量化して把握したり、心筋コントラスト検査においては、心筋血流量に相当するパラメーターを容易に求めるとができます。

東芝は、この「Innovation2004」を市場に投入することにより様々な臨床分野において、超音波検査の有用性を一段と高める最新のソリューションをお客様に提供してまいります。

●「Innovation2004」の特長

(1)「MFI」(Micro Flow Imaging)―造影エコーへの先進的技術
造影剤を使用した超音波検査法コントラストハーモニックイメージング機能が進化しました。MFI(Micro Flow Imaging)は造影剤に含まれる個々のマイクロバブルからの信号を連続的にトレースする技術で、世界ではじめての高い分解能で血流像が描出できます。この最新の技術により、特に乳腺、表在臓器、または腹部臓器の微小循環等、低流速で血液が灌流する臓器の観察に役立つので、血管構築の評価によるびまん性肝疾患の診断への応用が期待されています。
本技術は、強力な超音波の照射で関心領域の造影剤を取り除いたあと、再び進入してくる造影剤エコー信号のピークをホールドして表示できますので、最高の感度と特異度が得られます。

(2)「IASSIST™」―ワイヤレス・リモート・コントロール
BluetoothRテクノロジーをベースにしたAplio™のワイヤレスリモートコントロール機能を、「IASSIST™」ワークフローパッケージとして実現しました。この機能を使用すると、例えばシステム設定の変更、アノテーション(症例に対するコメント)の入力、内蔵のハードディスクへの静止画や動画クリップの保存など、Aplio™のほとんどの操作をリモートで行うことができます。装置から離れていても操作が可能なので、どんな部位の検査でも「IASSIST™」コントローラを使って楽な姿勢でスキャンを行うことができ、画像観察に意識を集中することができます。さらに「IASSIST™」テクノロジーはAplio™本体に任意に登録した検査プロトコルに沿った操作を実行させることができるので、ルーチン検査の定型化や新しく検査に携わる方への指導そして他施設との同一手順による研究協力などに役立ちます。

(3)「BTプローブ」-適応領域や機能の拡張
曲率の大きな腹部用コンベックスプローブの「PVT-375BT」と超音波ガイド下穿刺に最適なマイクロコンベックスの「PVT-382BT」を、広い周波数特性を実現した「BTプローブシリーズ」として、プローブラインアップに加えました。空間分解能の向上と、受信の高感度化により優れたペネトレーションを実現しています。両プローブともPulse Subtraction方式のTHI注1(Tissue Harmonic Imaging)による高画質画像表示が可能で、高性能に加えて形状も使いやすいデザインを追及し、体表での様々なスキャンがさらに行いやすくなりました。 なおマイクロコンベックス「PVT-382BT」には、オプションの穿刺アダプタも用意されています。
さらに、新しいコンベックスプローブ「PVT-375BT」や経膣プローブ「PVT-661VT」などの特殊プローブにもすでに販売を行っているVRI注2(Vascular Recognition Imaging)のような独自のコントラストイメージング技術を付加し、コントラストハーモニックイメージング対応を広げています。

(4)「CHI-Q」-造影剤検査をさらに定量的に
新たなコントラストの定量化パッケージCHI-Qが加わりました。Aplio™にRaw Dataを利用して解析するこのアプリケーションを組み込むことにより、関心領域で造影剤が変化する様子を正しく定量化して把握することができます。検査後に造影画像を再生して輝度変化を調べることだけでなく、心筋コントラスト検査では心筋血流量に相当するパラメーターを容易に求めることができます。

●「Innovation2003」から「Innovation2004」へ

Aplio™は昨年6月に「Innovation2003」として心エコー用の新しい臨床アプリケーションソフト群を発売しました。ドプラ技術を利用して心筋Strain注3を画像化する「TSI」と造影心エコーにおいて心筋の染影状態を観察する「1.5RSI」などをリリースし、その臨床応用を広めるため発売後各医療施設で臨床応用が盛んに行われ臨床分野に貢献しています。東芝は1月より国内各地(北海道、中部、中国など)でユーザーセミナーを開催し最新情報のご提供を行ってまいりました。さらに、3月27日から東京で開催される第52回日本循環器学会においても「心エコーによる心筋Strain臨床応用の理論と実際」と題してランチョンセミナーを共催し最新技術の普及に努めます。 常に最先端の新技術による臨床アプリケーションをご提供するAplio™は「Innovation2004」でさらに進化し、適用領域を広げて臨床に役立つ様に努力してまいります。

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MFI

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IASSIST™

●用語解説

注1)THI
生体からの反射信号に含まれる2次高調波を利用して、より鮮明な画像を表示する。

注2)VRI
臓器実質部分の灌流と、血管内の血流を色分けして表示する技術。

注3)心筋Strain
心臓の筋肉が伸び縮みする際の「歪み」。局所機能の定量評価に有効とされる。

以上