ニュースリリース

2004.12.28


いわき市におけるMRI装置撤去作業時の事故について


2003年10月4日のいわき市 松村総合病院様における、MRI装置撤去作業時の爆発事故に関しましては、被害に遭われた方々、病院関係の方々並びに世間の皆様に大変ご迷惑をおかけ致しましたことを心からお詫び申し上げます。

当社といたしましては、今般、本件事故に関連して、当社社員が書類送検されたことを厳粛に受け止め、今後二度とこのような事故を起こさないよう再発防止に最善の努力を行ってまいります。

本日は、当社として、2003年10月28日の中間発表以降、当社社員からの聞き取り等の社内調査、サービスポート内部の氷結の再現実験等を実施し、事故原因の究明を行ってまいりましたので、事故発生直後から実施してまいりました再発防止策と併せてご報告申し上げます。
 なお、本件事故に関する最終的な結果については、司法の判断をお待ちし、その結果を厳粛に受け止めて、対応させていただきます。

1.本件事故の原因
 本件事故は、中間発表でご報告したとおり、MRI装置の撤去作業中に、ヘリウム容器内で液体ヘリウムが気化して急激に膨張し、爆発に至ったものと当社では推測しています。
 ヘリウム容器内において通常の使用状態で気化したヘリウムは「逆止弁」で排出されます。また、さらに液体ヘリウムの気化により内圧が上昇する場合には、「安全弁」「破裂板」で内圧を開放して安全を確保する構造となっております。
 しかし、今回は、
(1) 事故前日(2003年10月3日)の午後8時30分頃通常は取外すことのない「破裂板」を取外し、
(2) 「破裂板」取外し後11時間以上が経過したことによりサービスポート内部が氷結し、ヘリウム容器が閉塞して内圧を開放することが不可能な状態となり、
(3) 事故当日(2003年10月4日)の午前8時15分~20分頃、氷結によるヘリウム容器の閉塞に気がつかないまま、真空バルブを開放したため、ヘリウム容器内に残っていた液体ヘリウムが急激に気化し、これによりヘリウム容器の内圧が上昇し爆発するに至ったものと当社では推測しております。
上記(1)について
作業員に対する事情聴取によりますと、事故前日に破裂板を取り除いた理由は、
(イ) 真空バルブの開放により「破裂板」が破裂した場合、大きな音が出て近隣に迷惑をかけるので、これを避けようと考えたこと、
(ロ) 事故当日は消防署に対して午前8:00~10:00の時間帯で作業の届出をしており、当日に 「破裂板」を取外すと作業時間が確保できないと判断したこと、
以上2点から、事故前日の10月3日に「破裂板」を取外すことを決めたとのことです。しかしながら、「破裂板」を取り除いて真空バルブを開放することは、当社の定めた廃棄手順に違反するものです。
上記(2)について
「破裂板」の取外しによりサービスポート内部が氷結し、ヘリウム容器が閉塞して内圧を開放することが不可能な状態となる過程については、次の通りです。
(イ) 破裂板が取り除かれた為、外気がサービスポート内部に流入し、
(ロ) サービスポート内部の下部はヘリウム容器と同様-269℃付近になっている為、流入した外気(空気中の窒素や酸素)は、サービスポート内の下部から氷結し始め、
(ハ) 2003年10月3日午後9時頃から10月4日午前8時頃までの約11時間の間に、ヘリウム容器を閉塞させるまでの大きさに成長し、
(ニ) この結果、ヘリウム容器が閉塞する状況になった。
なお、サービスポート内部の氷結については、2003年11月4日から5日にかけ、当社で氷結再現実験を行い検証した結果、サービスポートに、破裂板を取外した場合と同様に大気へ開放された開口が十分あれば、半日程度の放置でサービスポート部分を閉塞させるのに十分な氷が形成できることを確認しました。
上記(2)について
爆発に至る過程については、次の通りです。
(イ) 真空容器内(真空層)の真空バルブを開放した為、断熱容器である真空層に空気が吸引され、断熱効果がなくなり熱がヘリウム容器に浸入し、液体ヘリウムは急激に気化しました。
(ロ) 熱の浸入が続く為、気化したヘリウムガスは温度上昇とともに膨張し(液体ヘリウムは気化し常温(室温)のガスになると体積は約700倍になります)、
(ハ) ヘリウム容器内部は、膨張するガスの量と外部へ放出されるガスの量の差に従って内部圧力が上昇しました。(作業員は真空バルブ解放後、排気口から白い煙状のものが放出されているのを確認していますので、一部気道は確保されていましたが、膨張の量と放出の量に差があったため、内部圧力が上昇しました。)
(ニ) 通常は内部圧力が上昇した場合でも「逆止弁」「安全弁」「破裂板」が動作することによりヘリウムガスが外部に放出されますが、本件事故ではヘリウム容器自体がサービスポート内下部の氷結により閉塞していた為、ヘリウム容器の内部圧力が上昇し続け、爆発に至ったものと当社では推測しております。
2.再発防止策
 当社は、本件事故の重大さを深刻に受け止め、二度とこのような事故を起こさないよう、万全の安全対策を既に講じておりますが、今回の書類送検を機に再度安全対策・意識の徹底を図る所存であります。 具体的には、2003年10月20日~30日の間、北海道から沖縄までの主要支社店を巡回し、延べ20回に亘り、サービス技術者をはじめMRI装置に関連する社員全員に対し、緊急安全教育を実施しました。また、施設工事から移設・廃棄に至るまでの作業プロセスにおける各部門の役割分担と責任を明確化し再徹底を図りました。
さらに本件事故を踏まえ、サービス技術者の専門技術のレベルを明確にする資格制度の導入をはじめ、作業安全監査制度、マニュアル制作体制・フィードバックシステム、教育制度、情報の一元管理などについて総合的な見直しを行い、抜本対策を策定し既に実施しております。

3.損害の補償
 当社は、まだ完治されていない一部の被害者の方を除き、補償に関し合意をいただいておりますが、まだ完治されていない方に対しましても、引き続き誠実に対応してまいります。

4.役員報酬の一部自主返上
 今回の事故により、被害に遭われた方々および病院様にご迷惑をお掛けしたこと、ならびに世間をお騒がせしたという事実を重く受け止め、既に本年2月、最高責任者である代表取締役社長、営業グループの責任者である代表取締役専務、支社店の統括責任者である取締役上席常務営業本部長(当時)、 サービス部門の責任者である常務サービス本部長(当時)、安全衛生の責任者である取締役常務総務部長 の5名は、報酬の一部(月俸報酬の25%~10%:1ヶ月)を返上いたしました。
以上

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