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June 22, 2005

高画質と低被ばくを両立させた実用型X線CT装置(Asteion™/VPシステム)の販売開始 ~64列同時撮影マルチスライスCTの技術を実用機に導入~

東芝メディカルシステムズ株式会社(社長:桂田 昌生 本社:栃木県大田原市)は、医療施設の診断から治療にわたるあらゆるニーズへのトータルソリューションを提供する、国内市場における画像診断システムのトップメーカーです。CT装置に関しても、東芝の最先端技術を結集させた「0.5mmスライス厚、64列同時撮影マルチスライスCT(Aquilion™64列システム)」からCT装置を初めて導入される医療施設などのための実用型CTまで、お客様のニーズにあわせて幅広く製品ラインアップしております。

当社は「Aquilion™64列システム」の開発で培ってきた最先端技術を実用型CT(シングルスライス)に導入した「Asteion™/VPシステム」の販売を本日より開始します。「Asteion™/VPシステム」は、高画質を維持しながら、大幅な被ばく低減を実現しました。さらに、日本語表示、日本語ガイドモードの採用により、わかりやすい操作で検査に集中できる操作者にやさしい環境を提供します。また、フィルム取り間違えの防止や造影剤を使った検査のミス防止機能、造影検査時に最適撮影タイミングを提供し造影剤使用量を抑えて患者さんへの過度な負担を回避する機能などを搭載し、被ばく低減の機能とあわせて患者さんにもやさしいシステムとなっております。

特長

〔大幅な被ばく低減〕

数々の被ばく低減技術を組み合わせることにより、Xe(キセノンガス)検出器のX線CTと比べて、約1/4まで被ばくを低減しています。

(1) 画質を大きく左右する検出器にマルチスライスCTで培ってきた「固体検出器」を採用し、Xe(キセノンガス)検出器に比べ約50%もの被ばく低減を実現できます。
(2) 原画像の形態を忠実に再現しながらノイズを除去することで、高画質と低被ばくの両立を可能にした「量子ノイズ除去ソフト:QDS」を採用することにより、同じ画質でQDSを使用しない場合と比べると、約40%もの被ばく低減効果が得られます。
(3) 撮影中の管電流を細かく調整するReal EC*1機能により、最大40%の被ばく低減が図れます。

〔最先端マルチスライスCTで培われた、洗練されたワークフロー〕

さまざまな検査を安全・確実に実施するには、装置が使いやすくなければなりません。シンプルなインターフェースと国産メーカならではの日本語操作環境の実現により、検査をよりやさしく支援します。

(1) 日本語表示による、わかりやすいユーザインターフェースを採用し、より一層安全、確実な操作が可能になりました。また、撮影条件(プロトコル)は検査目的毎に予めプログラムできますが、患者さんに合わせた最適条件への設定変更も簡単に行えるので、さまざまな検査にすばやく、そして確実に対応できます。(国内向け)
(2) 国産メーカーならではの日本語表示で、患者登録から検査終了まで確実にナビゲートする「日本語ガイドモード」を装備しています。CTに不慣れな先生や夜間、急な検査への対応の場合でも、安心して検査が進められます。
(3) これまで、患者名や検査日時などの付帯情報は画像の各コマに小さく表示していましたが、この付帯情報をフィルムの下部にまとめて大きく表示できる東芝独自の「T-Modeフィルミング*2」 機能を装備しています。文字は、1m離れた場所からでも確認できる大きさで、目的のフィルムを素早く、確実に探し出すことができます。また、自動発番機能により、フィルム枚数の確認や、何枚目のフィルムかということもすぐわかり、フィルムの取り間違えを防止いたします。
(4) 造影剤注入後の最適撮影タイミングを逃がさない「フラッシュスタート™」*3機能で、CT撮影での造影剤使用量の削減を実現し、患者さんへの過度な負担を回避することができます。
(5) インジェクター同期スキャン機能*4(オプション)を備え、造影剤を使った検査のミス防止に役立ちます。

(*1)「RealEC(Real Exposure Control)」・・・位置決め画像から全スライスが同じ画像SDで画像表示できる最低mAを計算、ヘリカルスキャン中に電流制御を行います。これにより最大40%の被ばく低減が図れます。
(*2)「T-Modeフィルミング」・・・付帯情報をフィルム上にまとめて見やすく表示します。イメージャーの機種によっては、対応できない場合があります。
(*3)「フラッシュスタート™」・・・造影検査の最適タイミングをAutoとManualでセッティングでき、造影剤のタイミングを逃しません。 また、造影タイミングが正確にわかるので、造影剤の総量を減らすことも可能となります。
(*4)「インジェクター同期」・・・造影剤の注入とCTスキャンを連動させ、スキャンが止まれば自動的に造影剤の注入が停止します。たたし、接続できるインジェクターに制限があります。

当社は、64列セグメント検出器を用いたマルチスライスCTを他社に先駆けて市場に導入し、すでに全世界で世界最多の150台以上の稼動実績を誇ります。Johns Hopkins大学(米国メリーランド州)、Beth Israel Deaconess(Harvard Medical School)(米国マサッチューセッツ州)、Toronto General Hospital(カナダ)、Leiden University Medical Center(オランダ)、Humboldt大学Charite病院(ドイツ)、安貞病院(中国、北京)、Mt. Elizabeth病院(シンガポール)など日本以外においても世界のトップ施設で稼動中で、その臨床価値に高い評価を得ています。また、お客様のニーズにあった質の高い製品を提供することにより、国内CT市場で20年以上連続トップシェアを続けております。今回の新製品投入により、Aquilion™64列システムからAsteion™/VPシステムまで、製品ラインアップをますます幅広く充実させ、国内トップシェアを堅持し、全世界でCTのトップシェアを目指します。

製品名型名価格販売目標(年間)
AsteionTSX-021B3億7800万円~200台(国内)
100台(海外)

(医療用具承認番号:21100BZZ00359000)

Asteion™/VPシステムの主な仕様

型式:TSX-021B 
検出器固体検出器
スキャン時間0.75、1、1.5、2、3秒、0.48秒(ハーフ)
スライス厚1、2、3、5、7、10mm
X線管 容量2MHU、3.5MHU(オプション)
X線管 冷却効率366kHU/分、735kHU/分(オプション)
X線出力24kW、36kW(オプション)
撮影範囲最大 1,400mm
ガントリ開口径720mm
ガントリチルト角-30°~ +30°
画像再構成時間最短1秒
リアルタイム画像再構成時間152GB
造影剤検知自動スキャン機能フラッシュスタート™(標準)
3次元処理ボリュームレンダリング(標準)

Asteion、Aquilion、フラッシュスタートは東芝メディカルシステムズ株式会社の商標です。