News | Press Releases


August 29, 2011

X線CT装置向け節電モードプロトコルについて

~停電時、自家発電環境で救急撮影を可能に~

東芝メディカルシステムズ株式会社(本社:栃木県大田原市、社長:綱川 智)は、災害時および停電時における画像診断検査の継続を目指し、既設のX線CT装置向けに停電時救急撮影プロトコルを開発しました。

対象のX線CT装置は、当社最高級機種であるAquilion ONE™(アクイリオンワン)で、その高速撮影性能を生かし、救急検査に特化した節電型救急撮影プロトコルを開発しました。既設のAquilion ONE™にこの撮影プロトコルを組み込むことで、装置の改造無しに、かつ造影シーケンスなどの検査手順等を変えることなく、消費電力を通常検査時の最大50%削減、最大消費電力を30kVA程度まで抑制しながら、救急検査を継続することが可能になります。

先日、財団法人医療機器センター附属医療機器産業研究所より発表された、東日本大震災に伴う計画停電の病院施設への影響に関する報告書(注1)にあるように、停電時に画像診断装置を稼動させるニーズは非常に高いものがあります。しかし従来、X線CT装置は消費電力の最大定格および電力変動が大きいため、停電時に非常用電源に接続して使用することは困難と、一般に考えられてきました。今回、臓器を一回転で撮影できる上記機種の高速撮影性能を生かし、検査種類を救急用に限定し、かつ撮影条件を調整して最大消費電力を抑えることで、非常用電源への接続が従来より容易になりました。

当社の経営スローガンである「Made for Life™」を実践するCSR活動の一つとして、今回、既設のX線CT装置を停電時に稼動させる取組みを行いました。今後もイノベーションのさらなる進化とたゆまぬ創出を続け、お客様に高付加価値のある商品・サービスを提供してまいります。


注1:財団法人医療機器センター附属医療機器産業研究所 リサーチペーパーNo.4「計画停電(発電容量不足)に伴う医療機器等の使用状況に関する緊急調査」より 計画停電中であっても、多くの医療機関が患者監視装置(心電計、ベッドサイドモニタなど)などのモニタ関係や輸液ポンプ、人工呼吸器、透析器などの治療関連機器の使用を優先している。一方、一旦は使用制限したものの、後から診療上の必要性が高いと判明した医療機器として、CT、X線撮影装置などの画像診断装置があげられた。

後から診療上の必要性が高いと判明した医療機器や医療設備など(上位5位まで)

医療機器や医療設備の名称回答医療機関割合
CT27.5%
X線撮影装置24.9%
電子カルテ・医事課PC・会計システム・その他PC システム18.6%
MRI18.0%
血液検査装置17.8%

【東芝メディカルシステムズについて】
東芝メディカルシステムズ株式会社は、疾病の早期発見のためのスクリーニング、診断から治療、治療後のフォローアップまで、医療施設におけるワークフロー全般に関するあらゆるニーズへのトータルソリューションを提供する国内市場における画像診断システムのトップメーカーです。
当社の経営スローガンである「Made for Life™」(患者さんのために、あなたのために、そしてともに歩むために)を通じ、かけがえのない命とお客様の成長・成功に役立つよう、一層の活動を進めてまいります。
東芝メディカルシステムズ(株)ホームページ:http://www.toshiba-medical.co.jp/

【地球環境への取り組み】
東芝グループの一員である 当社は、「地球内企業」としてより良い地球環境の実現のため、開発、調達、製造、販売、サービス、廃棄段階まで一貫して環境への影響に配慮した医療機器・システムの提供を通じて地球温暖化防止をはじめとし、資源有効活用、化学物質管理を通した地球との共生や豊かな価値の創造のために取り組みます。
東芝メディカルシステムズ(株)環境活動:http://www.toshiba-medical.co.jp/tmd/company/env/
(株)東芝環境活動:http://www.toshiba.co.jp/env/jp/index_j.htm

※Aquilion ONE、Made for Lifeは東芝メディカルシステムズ(株)商標です。