ここでは東芝の装置による超音波、CT、MRそれぞれの最新臨床応用についてご講演いただいた内容の概要をご紹介します。

超音波「乳癌画像診断 高分解能エコーでみえてくるもの 〜それをどう診断するか〜」
乳癌の発生過程から、腫瘤や非腫瘤など多彩な形態を持ち、画像診断として難しいと言われている乳癌の特徴をまず解説。高分解能(High Resolution)US は(1)解像度・分解能が高い(2)コントラストが明瞭(3)アーチファクトが少ないなどのメリットを持つ。この高分解能USにより、正常構造(小葉、乳管、間質など)と立体的腺葉構造読影が可能となった。具体的な臨床の場では、正常構造からの逸脱部を全て拾い上げて診断している。2.4mm以上の微小乳癌を出来るだけ見逃さないようしている。また、既存構造からの変化を評価することで良悪性の判定にも活用が可能である。
また、マンモグラフフィでは描出できなかった病変や自覚症状のない病変への精査手段としての有用性を示された。同センターでのMRI2ndLookUS & FNAC(穿刺吸引細胞診)では、描出率:98%、陽性反応的中率:98%であり、欧米の例(描出率:30-70%)と比較して大変良好な結果であった。
まとめとして、従来の乳腺超音波が、(1)視触診の延長、(2)MMG等で見つかった病変に新たな評価を加えるレベルであったが、高分解能エコーの登場で、スクリーニングUSへの期待が高まっている。精密検査針生検では、簡便かつ細い針の使用で患者さんに優しい医療がどの施設でも可能になると予想される。最後に、高分解能超音波のモダリティとしての潜在的な可能性をより引き出し広めていきたいとの夢を話され講演を終了した。
CT「Aquilion ONE™における最新技術と胸部領域の最新動向」
Aquilion ONE™の胸部領域の有用性を320列ADCTの技術的な優位性とともに講演された。
寝台を固定して、160mmの範囲を同一時相で撮影するVolume Scanでは、64列Helical Scanと比較して気管支壁の描出能が大幅に向上。また、心臓近傍の描出や葉間胸膜の描出にも顕著な差がある。気管支鏡検査前の検査としても非常に有用である。Wide Volume Scan(160mmのVolume Scanを積み重ねる撮影法)では、多施設臨床研究の成果を発表。心電同期なしでも64列Helical Scan同等以上の画質評価であった。心電同期ありでは被ばくを増加させることなく高分解能の全肺野の画像が得られる。(RSNA2010で琉球大学から発表)
仙台厚生病院では、胸部単純CTの心電同期撮影は煩雑になるため、簡便な前腕誘導による撮影を行っている。これにより精度の高い心電モニタが可能となり、Helical Scanと比較して心臓輪郭・近傍肺野の二重輪郭が格段に改善された。更に、肺癌の経過観察でより分解能の高い画像が必要なため、心電同期なしの全肺野の高分解能撮像を検討している。
Dynamic Volume Scanでは、寝台を移動せず同一場所を撮影するため被ばく低減が非常に重要となる。AIDR(Adaptive Iterative Dose Reduction)を用いた低被ばく撮影と3次元画像(3D-CTA)における有用性を説明。ノイズが減少し、細かな血管の描出能が向上した。また、肺動静脈瘻や肺がんの胸膜癒着の評価、胸腔鏡下切除の術前画像提供、気管支内の描出など応用例を提示。最後に肺における320列ADCTの優位点として、等時相性、高解像度、心臓が静止、肺が動く(低被ばく・複数相撮影)の4点を挙げられた。
断層映像研究会(2009年10月)の講演も是非ご覧下さい。
Aquilion ONE™の胸部領域における最新情報
MR「Vantage Titan™ 3T の初期臨床経験」
Vantage Titan™ 3Tは、9月より臨床稼動を始めた。約100日の短い期間で、既に924件の検査が行われた。この初期臨床経験について、技術的特長を含めて以下のように講演された。
Multi-phase Transmissionにより、腹部でもムラのない画像が簡便に得られている。また、通常の検査は、静音化機構(Pianissimo)があるので耳栓無しで行われている。さらに、患者開口径71cmのOpen Boreで、体格の大きな患者さんや体位に制約がある場合でも快適な検査を行うことができている。肩や肘などの整形領域も、より楽な姿勢で、かつ高画質な撮影が行われている。
各領域別の画像について述べる。頭部領域では、3D-TOFで微細な血管まで描出されるようになった。造影検査では、アーチファクトが少ないIR-T1の撮像法を使用している。HOP-MRA、3D-FLAIR、MR DSA、PWI、MRS(Spectroscopy)の検査も行っている。腹部では、多数の肝臓領域症例でSNRが高い画像が容易に撮像されている。MRCPでは膵管、肝内胆管が明瞭に描出されており、3Dも大変有用であった。また、多発性嚢胞腎(ADPKD)のような水が多い症例でもMulti-phase Transmissionにより均一な画像が得られている。手関節、肩関節や膝関節では解剖学的な構造が、3Tならではの高分解能で鮮明に描出されている。大腿骨頭や椎体でも高解像な画像が得られている。血管系では、ヨードアレルギーの患者さん(術前の血管評価)の腹部造影MRA、非造影下肢動脈撮影(FBI)、非造影腎動脈撮影(Time-SLIP)が有効に撮像されている。
1.5T MRIと変わらない使用ができ、まさに日常臨床に役立つ3T MRIである。
日本医学放射線学会秋季臨床大会(2010年9月)の講演も是非ご覧下さい。
「Open Bore 3T MRIと320列面検出器CTの最新臨床応用」

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