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メディカルレビュー91号
巻頭言
隈崎達夫 隈崎 達夫
第63回日本医学放射線学会総会 会長
日本医科大学付属病院 名誉院長

マルチスライスCTが出現して目を見張ったことが二つある。ひとつはAdamkiwicz動脈が容易に画像化できるようになったことで、もうひとつは冠動脈内のプラークが見えるようになったことである。私のように血管造影でさんざん苦労した者にとってはまさに雨過天晴の言葉がぴたりとする思いが濃い。ともに、患者さんを救うことができる強力な診断画像であることを知れば、放射線機器の進歩の凄さに背筋の鳥肌を覚えると言ったのでは、過信にも程があると非難されるだろうか。もし非難する人がいれば、下行大動脈に及ぶ瘤やacute coronary syndromeの怖さを知らない人、との言葉を返したい。
もうひとつを加えるとすれば、例のLancet誌に掲載された論文であろうか。科学的根拠が必ずしも盤石ではなく、従って納得できない結論であると心ではある種の憤りを禁じえない。しかし、冷静に考えてみると、わが国は余りにも医療放射線被曝に無頓着であったのではないだろうか。特にCT検査は有用を通り越して多用となり、多用を超えて乱用の兆しすら見え隠れするまでになった。CTが患者さんに与えた恩恵が図り知れないのは事実である。しかし、美しく芸術的とも称される鮮明な画像を求める余り、CTによってもたらされる医療被曝に無関心である放射線科以外の医師が何と多いことか。症状と理学的検査から適応を考慮すれば、診断目的ならば多少は鮮明度が劣化しても、撮像条件を少し落とすだけで医療被曝は相当減らすことができる。原爆の洗礼を受けた唯一の国という悪夢から、放射線に対する過剰とも取れるわが国の国民感情が間違っているとは思わない。それが、医療被曝ということになると驚くほど無関心となる。われわれ専門家が正しく情報を開示していないということならば、早速解決の手段を講じるべきであろう。
自戒を込めてであるが、形態診断にのめり込んでいた頃は、より小さい変化をより美しく表示しようとする余り、過剰な撮影条件を設定し続けたことがある。CTの無い時代で、アナログ・シネアンジオに生き甲斐を感じていた。その結果は、造影剤の流れ診断が極めて重要であり、無理にミクロレベルの血管を表示しようとするエネルギーを機能診断の研究に振り向けようと心したことであった。撮影条件は平常に戻り、X線管球の磨耗が飛躍的に少なくなったのは言うまでもない。
形態診断と機能診断は表裏一体のものでなければならない。両者がバランスよく渾然一体となって初めて質の高い安全な画像診断に進化する。今は両者のバランスは不均衡である。あらゆる臓器を含めた人体とは、3次元的な美しい機能が凝縮されて活躍するものである以上、ウィルヒョウの細胞病理説*とセリエのストレス説の間にはお互いを無関係とする強大な壁が立ちはだかっていたのでは困る、と言う私見を持っているのだが。
* ドイツのウィルヒョウ(1821~1902)が細胞病理学説を唱えて以来、西洋医学は病気を個々の細胞や組織の病変であるとし、疾病の診断と治療は身体の部分のみに集中し、自然科学の欠点である要素還元主義的傾向を強めてきました。したがって西洋医学は分析的医学と言われています。西洋医学の考え方、方法によって克服された疾病は確かに多くあります。19世紀を通じて、顕微鏡による病原体の発見が端緒となって、それに対応する20世紀前半の抗生物質の発見以来、多くの生命を救ってきました。また自然科学の発達と共に、診断器具と外科治療器械が驚異的に開発され、普及してきました。
こうして医療はいわゆる西洋医学しかないとまで思われ、つい最近まで東洋医学は迷信とまでいわれてきたのです。しかし、その西洋医学的医療では、何としても対応できない疾病が数多くあることや、肉体だけでなく精神的要素を重視する心身医学的なアプローチの必要なことがわかってきたのです。カナダのセリエ(1902~1982)のストレス学説がそうです。
(この脚注は当社が青山会FMTのホームページを参考にし付記しました。)

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