ご確認ください

東芝メディカルシステムズウェブサイト(www.toshiba-medical.co.jp)は、
薬事法対象商品の情報を医療従事者向けにお届けするためのコンテンツを含んでおります。
お客様がアクセスされたページは医療従事者向けの情報を掲載しているため、
閲覧は医療従事者限定とさせていただきます。

あなたは医療従事者(医師、診療放射線技師など)ですか?

閲覧のためにJavascriptを有効にしてください。

はいいいえ

◎「いいえ」の場合は、東芝メディカルシステムズWebサイト内「一般のお客様へ」ページへリンクします。

最新号
Neuro Imaging Special Issue 2003. 9
Cardiology Special Issue 2003.3
81号~90号
71号~80号
64号~70号
メディカルレビュートップへ
    東芝メディカルシステムズ株式会社 > ライブラリー > メディカルレビュー > メディカルレビュー91号
メディカルレビュー91号
頸動脈疾患
長束一行
今北哲先生
CT Angiography

国立循環器病センター 放射線診療部 医長

私に与えられたテーマは頸動脈疾患のCTアンギオグラフィ(CTA)です。国立循環器病センターでのワークフローでは、最初に無侵襲な超音波によってスクリーニングします。超音波の特長であるプラークイメージングもこの時に十分評価できます。それから治療の可能性のある中等度から高度の狭窄例に関してはMRAあるいはCTAを行いますが、これは各施設によって色々な選択があると思います。循環器病センターではほとんどCTAが主体になっています。また、最近プラークについては、MRIによるプ
ラークイメージングも行っています。
さらに、治療を選択する場合には DSAを行い、頸動脈内膜剥離術 (carotid endarterectomy:CEA)を行うかステント留置術を行うかという形になっています。CEAに関しては、症候性の場合North American Symptomatic Carotid Endarterectomy Trial (NASCET)法で70%以上狭窄が適応とされていますが、一番最近の NASCETでは50~69%という中等度の狭窄症例に対しても CEA が有効ということで、手術適応を拡大する傾向にあるようです。一方、無症候性に関しては、Asymptomatic Carotid Atherosclerosis Study (ACAS)で60%以上狭窄に有効ということだったのですが、循環器病センターでは75%以上狭窄に対してCEAを行うという形をとっています。無症候性の中で、女性は再狭窄率が高いためCEAを行わないことになっています。
一方、頸動脈ステント留置術に関して、適応としては種々のものがありますが、CEA、PTA後の再狭窄、放射線照射後狭窄、全身麻酔不可能者が絶対的適応になります。
CEA適応決定のための術前情報として、各モダリティで何を知りたいかというと、DSAに関してはゴールドスタンダードとしての頸動脈狭窄度ならびに血行動態を見たい。CTに関しては石灰化に非常に鋭敏なので、その程度を見るとともに、頸動脈狭窄度、プラークの広がり、CEAを行う上において指標となる脊椎との立体的位置関係を見ます。脳外科医はプラークの広がりを明瞭に見たいということで、特にプラークの体軸方向の広がりの描出を重視しています。ステント留置術の適応決定のための情報として、DSA、CTに関してはCEAと同じようなことですが、狭窄度以外に粥腫の問題、石灰化の問題がかなり大きなウエイトを占めており、超音波およびMRIによるプラーク性状診断がかなり重視されています。
循環器病センターのCT使用機種は、最初Xvigorで、その後はAquilionTMの4列、現在は Aquilionの16列を使っており、ワークステーションはZIOのM900 QUADRAを使っています。頸動脈疾患のCT検査を行う際、Xvigor時代は3mmのスライス厚、AquilionTM 4列の時代になって1mmのスライス厚を使用していました。
現在AquilionTM 16列では0.5mmのスライス厚を用い、85mmの範囲を9.2秒でスキャンを行っています。
CTAは術前の頸動脈狭窄度を把握し、術後に狭窄がどの程度改善しているかを見る上で非常に有効な方法です。図は術前に内頸動脈に非常に高度な狭窄が見られた症例ですが、CEA施行後これが見事に改善していることがわかります(図1)。図は血管が非常に脆弱だった患者さんのCEA後のCTAです。CPR (curved planar reformation)で見ると血管外に僅かな造影剤の漏出が認められ、3D-CTAで同部に瘤の存在が明瞭に示されており、CTAは術後状態の把握に有効です。
CTは石灰化に対して非常に鋭敏ですが、高度な石灰化が存在する場合には狭窄度診断が困難なことがあります。高度な石灰化であっても、偏在性の場合には3D-CTA及びCPRで狭窄度を十分に判定でき、プラーク、潰瘍形成も描出可能です。ところが全周性の高度な石灰化がある場合には3D-CTA及びCPRでは狭窄度を正確に評価することがかなり難しくなってきます。その場合には横断像を参考にしながら検索していくことが必要です。また、しきい値設定の幅を狭くしたvolume rendering法を使用することで明瞭に観察できることがあります。この方法はわれわれの施設の田中先生が発案した方法で、下肢のASOに関しても有用な方法です。
図は強い石灰化を伴った内頸動脈狭窄症例です。通常の3D-CTA、CPRでは石灰化のために狭窄の程度を見るのが難しいのですが、しきい値設定の幅を狭くしたvolume rendering法で明瞭に見ることができます(図2)。
この図も強い石灰化を伴った内頸動脈狭窄症例です。3D-CTAでは石灰化のために狭窄度を判定できませんが、サブトラクション3D-CTAでは石灰化が完全に除去されているので、狭窄度を明瞭に観察することができます(図3)。
次にプラーク評価ですが、MRIによるプラーク評価に関する報告がいくつか認められます。これらの報告ではMRI像と病理標本を比較検討しており、超音波と同等あるいはそれ以上のかなり詳しいところまで見ることができるようになったというのが、MRIによるプラーク評価の現状です。一方CTAによるプラークの評価はどうかといいますと、いくつかの報告が認められますが、すべてシングルヘリカルCT時代の報告です。CT値を基準にしてlipidの多いものは不安定、fibrousなものは安定プラーク、こちらはハードプラークというふうに大きく3つに分けていますが、プラーク性状を十分に評価し切れないというのが全体的な意見です。マルチスライスCTに関しては、まだ明確な報告は出ていないように思います。
図は左内頸動脈の高度狭窄例で、CPR矢状断像、冠状断像を示しています。造影早期相に比べると造影後期相でプラークの拡がりを明瞭に見ることができます(図4)。これをMRIの heavy T1-weighted Image (T1-WI)で見ると、左内頸動脈狭窄部が非常に強い高信号強度を示しており、不安定プラークの可能性が高いとことが示唆されました。
図は両側内頸動脈狭窄例です。同ように造影早期相、造影後期相のCPR矢状断像、冠状断像で見ると、やはり造影後期相でプラークの範囲を明瞭に見ることができます。MRIのheavy T1-WIでみると左内頸動脈狭窄部にかなり強い高信号強度が認められ、不安定プラークの可能性が示唆されたのに対して、右内頸動脈狭窄部には高信号強度は認められませんでした。ところが、この症例に関してプラークのCT値を測るとどちらも25~35くらいの値でほとんど差がないのです。この差は何かという解析はまだできていませんが、このあたりがCTによるプラーク性状診断の限界で、単にCT値だけを比べるだけではプラーク性状を正確に診断できないのではないかと思います。したがって、何か別の方法を模索していく必要があります。
まとめです。頸動脈狭窄症におけるCTアンギオグラフィの役割という意味では、まず石灰化に非常に鋭敏なのでそれを十分に把握できます。CPR・3D-CTAで評価困難な高度石灰化の場合には横断像を参考にすることはもちろん、しきい値設定の幅を狭くしたvolume rendering法あるいはサブトラクション3D-CTAを活用して判定することが有用です。また、CTAはCEAを行う上での立体的位置関係の把握に非常に有用です。プラークの拡がりの把握に関しては、造影後期相のCPRが有用だと考えています。CTによるプラーク性状診断に関しては、今後まだまだ検討が必要ですが、CT値に頼っているだけでは駄目で、造影後期相における情報を利用して、どの程度までプラーク性状診断ができるかを検討しているところです。


<<back next>> index page


当ウェブサイトは、医療従事者向けの情報を一部含んでおります。一般の方、患者として医療施設をご利用になる方は、「一般のお客様へ」をご覧ください。