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メディカルレビュー91号
末梢動静脈疾患
松尾汎
松尾汎先生
[ナビゲーター]

松尾循環器クリニック 院長

ザ・ベストストラテジーということで、私が最初に「末梢動静脈疾患診療の現状」を、画像診断を中心に紹介し、続いてお二人の先生に最近の「画像診断のトピックス」ということでお話を伺うことにします。私自身、血管疾患をずっと20年近くやってまいりましたが、本日の話の中でのkey wordとして、脈管は全身に分布するということ、森と樹を見るということ、バスキュラ・ラボラトリという言葉などを時々出しながら展開していきたいと思います。
脈管疾患というのは動脈、静脈、リンパ管があり、さらに拡張性と閉塞性の疾患がありますが(表1)、今回は末梢の動脈、静脈についてお話しします(図1)。これらの脈管疾患をどのように診断するかというと、やはり問診や身体所見など、外来で診ていくレベルが基本になります(表2)。これをベースにおいて、各種の無侵襲的検査、そしてさまざまな侵襲的検査があります。決して現病歴や身体所見を疎かにしてはいけないということであり、それを裏付けていくものが表2に示すような検査法であります。この検査法をどのように応用していくかについては、それぞれの検査法の特長(簡便性、機能評価、画像評価、精度など)を生かして選択すること、そしてまたいろんなクリニック、病院それぞれに所有しているモダリティに違いがありますので、例えばMDCTやMRAが良いと言われてもその機器が無い処ではどうしようもありませんから、施設毎にどのようなモダリティが良いのかを検討する必要もあると思います。
生活習慣病には糖尿病、高脂血症、高血圧などがあり、いろいろな動脈疾患を起こしていきます。これらを、頸動脈を見ることによってある程度予測する(図2)、つまり「動脈硬化の指標」として使えないかということが、最近関心を集めています。今まで、循環器疾患ではおもに臓器の虚血を診てきたわけですが、いろいろなモダリティを使うことで血管自体を見ていくことができます。そうすると、生活習慣病から動脈硬化自体を評価し、先ほどの頸動脈のIMT(頸動脈内膜中膜複合体の肥厚度)を計測したり、プラークを見ていくことにより、いろいろな生活習慣病のコントロールを進める一つの動機付けにもなります。最近は動脈硬化の「硬度」の指標となるPWV(脈波伝搬速度)やstifnessβなどが簡単な方法で測定できるようになり、それも併せて併用しています。
高血圧では大体5%くらいの頻度で腎血管性高血圧があり、これも末梢血管の疾患の一つです。この評価法として私たちがいま推奨しているのが超音波検査やRIになります。超音波検査は一番簡単ですし、ほぼ90%以上の精度を持つと言われ、慣れると一般診療の場でも結構な精度で判定することができます。その際、腎動脈本管の狭窄部位を評価することが必要ですが、うまく見えなければ腎内の動脈を評価することである程度推察することができます。
別の疾患として四肢の末梢循環障害がありますが、身体所見や色調変化、皮膚温が下がっているなどの外来診察が、診断において必要であり、重要なことです。私は以前、国立循環器病センターにおりまして、そこではバスキュラ・ラボという検査室があり、必ず検査だけでなく患者さんにいろんな情報を聞く、どこに症状があるのか、身体所見や触診、足の温度がどうかといったチェックが行われています。外来でチェックして得られる情報、そして検査室で検査して得られる情報、それらを総合して評価できるのがバスキュラ・ラボラトリの一つの役割だと思います。ただ、脈拍触知(樹)だけでは残念ながら役に立たない部分もあります。末梢循環障害の治療方針は、重症度によって治療法が違うということ(森)をある程度知った上で、また病態(例えば病因、病変部位、程度、血流など)に応じた治療方針(森)を分かった上で個々の診断するということ(樹)がなければ、診断自体が生きてきません(表3)。
「血圧を測ること」でおそらく末梢循環障害の診断はついてしまいますから、いろいろなモダリティは必要ないかもしれません。しかし、責任動脈病変を知りたい場合にはそうはいかず、いろいろな評価が必要です。ただ、それより前に私が皆さんに是非実施していただきたいことは「生理機能検査」でして、それにはトレッドミルで歩行距離を測ったり、運動後のABPI (Ankle-brachial pressure index)の低下率を測ったりという検査が行われます(図3)。もちろん、画像も大事な診断モダリティですが、「画像」と「生理機能」という両面をみて行くことが大事だと思います。このことは治療効果の評価の際にも言えることで、それら両面での評価が必要になります。
それから末梢の動脈瘤、これは身体所見だけからでも分かります(推定)が、最近は携帯型の超音波もありますので外来ですぐ評価(確診)できます。もちろん、検査室まで行けば超音波診断ができ、図4に示すように収縮期とか拡張期に出入りする血流をチェックでき、パルスドプラを使えばto and fro patternの描出も可能です。最近はプローブで圧迫することによって治癒せしめることもでき、この症例は20分間圧迫することによって治療せしめ得た症例です。
静脈瘤にもさまざまな静脈瘤があります。これも治療法をある程度分かった上で検査しないと、静脈瘤を見ただけで何の役にも立ちません。静脈瘤というのも、外来の診察で殆どのことが分かります。検査を実施するのはその治療方針を決めるためなので、治療方針を決めるために役立つ情報が必要になります(表4)。その場合の大切な方法というのは、やはり多くは「生理機能検査」です。機能評価は脈波を使って静脈機能を評価しています。でも、それだけでは何処が悪いかが分かりませんので、次に「静脈超音波検査」が必要になります。全体の機能評価、そして部分的に見ていく、「森と樹を見る」という話を最初にしましたが、やはり樹だけを見る、森だけを見るというのでは駄目なので、両方共に診ていくことが必要です。
下肢腫脹の場合も、足(樹)だけ見ているのでは駄目で、心臓や肝臓、腎臓の疾患(森)も場合によっては考えてみないといけません。そういう点では、病歴や他の身体所見などへも配慮が必要になります。静脈血栓の判定ということになると、「超音波検査」で十分ではないかと思います。発生機序や、手術後の血栓症というのが、最近はいろいろな所で話題になっています。またエコノミークラス症候群、トラベラーズ・トロンボーシス(traveler's thrombosis)とも言われますが、旅行者の血栓症にも関心が高まっています。さらにPFO(卵円孔開存)といいまして心臓のforamen ovale(卵円孔)が残存していて、静脈から頭に血栓が行くという奇異性脳塞栓症も報告されています。このような形でいろんなことを考慮して、体の全体に視野を向けるということが血管を見ていくためには必要となります。DVT(深部静脈血栓症)の診断には、脈波を用いた検査がありますがやや精度が低く、それからRI静脈造影や通常の静脈造影もありますがこれらは侵襲的ですので、ほとんど超音波検査で十分ではないかと思います(図4)。最近の超音波検査の精度から大腿はもちろん、下腿の静脈も診ることが可能で、下腿筋肉(腓腹筋やヒラメ筋など)中のヒラメ静脈などの中にある血栓も超音波で診断ができます。それで十分に治療方針が決まっていくわけです。
今まで述べてきました、末梢動脈静脈疾患の評価にはいろんな検査法があります。繰り返しになりますが、造影検査・RI・超音波・脈波など、それぞれどのような役割を持っているかを把握して使うことが必要だと思います。
それでは続いて、超音波について奈良医大の平井先生、そしてCT・MRアンギオについて済生会熊本病院の浦田先生に最近のトピックスについてご解説をいただくこととします。




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