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メディカルレビュー91号
末梢動静脈疾患
平井都始子
平井都始子先生
US

奈良県立医科大学付属病院
中央内視鏡・超音波部 講師

末梢血管病変に対する超音波検査の有用性についてお話しいたします。私どもの施設では、特に閉塞性動脈疾患(ASO)の診断、ASOに対する治療の効果判定や経過観察、深部静脈血栓症を中心とした静脈疾患、リンパ浮腫などに対して超音波検査を行っています。
今年の秋にAplioTMの最新バージョンを導入しましたので、最近一ヵ月の間に経験した症例を提示しながら超音波検査の有用性を示したいと思います。AplioTMではティッシュハーモニックやアプリピュアの技術により、Bモードが非常に綺麗です。また、ダイナミックフロー技術により空間分解能が良く、ノイズの低減された血流表示を描出することができます。さらに、Bモード画像ではパノラマ画像が簡単に得られる機能も搭載され、2、3回練習すれば30cm程度の範囲の浅大腿動脈を1画面に表示することができます。
まず動脈疾患からお話しいたします。この症例(図1)は、左総腸骨動脈に狭窄があり、外腸骨動脈が鼠径部まで閉塞している症例です。MRアンギオ(図1a)で全体像がよくわかりますが、超音波も両側それぞれ2枚の画像をつなぎ合わせればほぼ同じ範囲の血管像を表示することができます。スライド右上は右総腸骨動脈から外腸骨動脈末梢部までの超音波パワードプラ像です(図1b)。右腸骨動脈の血管壁はやや不整ですが、血流は良好であることが分かります。スライド右下の左腸骨動脈カラードプラ像では、左総腸骨動脈に狭窄があって(図1c:↓)、外腸骨動脈は鼠径部まで閉塞(図1c:↓↓)し、鼠径部で副側血行路を介して再開通しているのがわかります。さらに、総腸骨動脈の狭窄部では血管壁の石灰化が強く、閉塞部の中枢端は非常に高輝度ですから、硬そうな器質化した血栓による閉塞である、というように閉塞部分の血管情報も捉えることができます。さらに、右浅大腿動脈のMRアンギオで狭窄病変が散在しています(図2a)。図2b, cは、狭窄部Bモード像とダイナミックフローです。ダイナミックフローによりどれくらいの狭窄病変が存在するか、Bモード像からその狭窄がどういった変化により起こっているかということを同時に観察することができます。左浅大腿動脈のMRアンギオでは明らかな異常を認めませんでしたが、超音波では壁石灰化や、内膜肥厚が散在し、かなり動脈硬化が進んでいるという情報を得ることができました。図2d、eは膝窩動脈での血流波形です。正常であれば通常、最高流速が50cm/sec以上でありますが、この症例では右でも30.6cm/sec、左では閉塞が存在するため27.2cm/secと低下し、また、収縮期の波形が少し広がっており、特に左ではなだらかな連続性の波形に変わっています。このように形態的な変化に加えて、血流の機能的な評価も同時に行うことが可能です。
図3は両側腸骨動脈のASOに対してステントを留置した症例の治療後評価です。大動脈下端でステントを前後に重ねるような形で両側腸骨動脈にステントが留置され、その全体像が3D-CTで描出されています(図3a)。これを超音波で観察しますと、総腸骨動脈に留置されているステントの前後関係、ステント内の血流状態、ステントと血管壁との関係が簡単に把握できます(図3b、c、d)。両側総腸骨動脈ではステントと血管壁との間に低エコーの領域がみられ図3b、c:*、ステントの血管壁への圧着が不十分であることがわかります。しかし、ステント外血流はみられず、ステント内血流は良好です。左外腸骨動脈(図3d)では、ステントは血管壁に良好に圧着されていますが、内膜は少し肥厚して(↓)います。また末梢(左鼠径部)での血流波形計測により(図3e)、血流は良好であると評価できます。
図4は膝窩動脈閉塞に対して経皮血管形成術(PTA)を行った直後の血管造影像(図4a)と3日後の超音波画像(図4b、c)です。血管造影像から動脈硬化が強く、プラークが残存し、軽度の狭窄とflap(↓)が散在性に認められます。AplioTMではBモード画像は血管壁に直角にビームを出すことが可能ですので、血管壁の状態、血管内腔のエコーを非常に鮮明に得ることができます。ダイナミックフローを使えば複雑な内膜解離(↓)や残存するプラークによるわずかな狭窄も手にとるように観察することができます。本症例はPTA後、後脛骨動脈は血栓による塞栓を合併しました。下腿動脈造影像(図5a)で、塞栓部は造影欠損として描出されています(↓)。後脛骨動脈のように内腔が2mm程度の血管についてもエンボラスそのものをBモードで鮮明に描出することができます(↓)し、ダイナミックフローを使えば併走している静脈と、動脈の血流のある部分がカラー表示され、血栓部分(↓)が簡単に診断できます。
次は3D-CTで両側腸骨動脈に動脈瘤を指摘された症例です。腸骨動脈造影(図6a)で、右総腸骨動脈に潰瘍形成を伴った動脈瘤があり、その末梢側に大きな動脈瘤が見られます。さらにその末梢の外腸骨動脈には重度の屈曲があります。超音波で観察しますと、中枢側の動脈瘤では大部分が血栓化し、血栓の中に潰瘍形成が数ヵ所みられます(図6b:↓)。血栓の中に微細な潰瘍形成の起こっている状況を、リアルタイムで観察が可能なのはカラードプラならではの特性だと思います。大きな動脈瘤とその末梢側動脈の蛇行も明瞭に描出されています。この症例に対して右総腸骨動脈から外腸骨動脈にcovered stentが留置されました。図7は、右腸骨動脈の2箇所の動脈瘤に対するステントグラフト留置後の3D-CTと超音波像です。パノラマビュー(図7b)により、中枢側の小さな動脈瘤(↓)と末梢側の大きな動脈瘤(↓↓)をステントが良好に塞いで留置されている様子がわかります。また、ダイナミックフローの横断像と縦断像で動脈瘤内の血流は遮断され、ステント内の血流が保たれている状況が簡単、かつ鮮明描出されています(図7c、d)。この患者さんの動脈瘤は非常に大きかったため、DSAでも左に比べて右の総大腿動脈が薄く造影され、術前では少し血流速度が低下して89.9cm/secであったのが、ステントを留置後は104cm/secと改善していました。このような微妙な血流変化も鋭敏に捉えることが可能です。
最後に、静脈疾患として深部静脈血栓の症例を1例お示しします。これは大腿部から鼠径部の深と浅大腿静脈が合流する付近を先頭とし、浅大腿静脈全体に血栓の生じた症例です(図8)。血栓自体も非常に綺麗に描出することができ(図8a)、また、血栓の間を縫うように血流が再開しているのがダイナミックフローで捉えられています(図8b)。新鮮な血栓では、血栓エコー自体がこのように鮮明にに描出できない場合もありますが、ダイナミックフローにより動脈と静脈の非常に遅い流れと速い流れをアーティファクト無く非常に綺麗に捉えることがきますので、Bモードで描出できないような血栓症に対しても、ダイナミックフローは有用と言えます。
膝窩静脈までの深部静脈血栓症については造影CT やMRAで診断可能ですが、ヒラメ筋静脈など下腿の深部静脈筋肉枝の慢性血栓症例などは、他のモダリティでは捉えることができないため、超音波は特に下腿の深部静脈血栓症の診断に非常に重要であると思います。
以上のように、末梢血管病変の診断において超音波検査は無侵襲で非常に手軽に検査でき、血管造影やCT・MRと同等あるいはそれ以上の情報を得ることができるモダリティです。したがって、血管病変を疑う疾患の診断に際して、超音波検査はまず第一に選択すべき検査法として位置付けたいと考えています。

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