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トップページ > 商品情報 > MRI > MRI-3Tの腹部MR Imagingを拓く“Multi-phase Transmission”

MRI-3Tの腹部MR Imagingを拓く“Multi-phase Transmission”

3T MRIの登場

3T MRIでは、静磁場強度(B0)に比例するS/Nが1.5Tに比べて高くなる。頭部などの一部画像では、高分解能で鮮明な画像が撮像されるようになった。そのほか、1.5Tに比べて次に挙げるような特徴がある。(1)静磁場(B0)の不均一の影響が大きい、(2) RF磁場(B1)の不均一の影響が大きい、(3)比吸収率の制約(SAR:specific absorption rate)が増大、(4)磁化率効果が増強、(5)化学シフトが増大、(6)T1緩和時間の延長などである。

3TにおけるRF磁場(B1

3Tの特徴の中で、特に注目されているのがRF磁場(B1)である。3Tで使用されるRF磁場(B1)は128MHzで、1.5T(64MHz)の2倍の周波数となる(図1)。3Tにおける一般的な特徴として、RF磁場(B1)は表面から入りにくいと言われている(表皮効果)。

図1

図1 1.5Tと3Tの周波数の違い

腹部における問題

腹部における3Tの問題点として、RF磁場(B1)の不均一の影響が大きいことがある。特に、人体が挿入された場合の腹部では、不均一が生じやすく意図したRF磁場(B1)がかからずに、フリップアングルに不揃いが生じる(図2)。これが画像ムラとなり、大きな問題になっていたため、せっかくの3Tによる高いS/Nを体幹部では活用できていない状況にあった。

図2

図2 Multi-phase Transmissionによる回転磁場の補正イメージ図

課題の解決:Multi-phase Transmission

腹部における画像ムラの解決策として開発された技術が、“Multi-phase Transmission”である。以下に、Multi-phase Transmissionの概略的な内容について説明する。
まず、Multi-phase Transmissionを知るためには、コイルによる送信を理解する必要がある。QD(Quadrature)方式は90°ずれた位相を使用することにより、正円形の均一なRF磁場(B1)分布を得ることができる方式である。しかし、これは理論上での話で、実際に人体が挿入された場合では異なる。3Tになれば、1.5Tと比べて正円形の均一な分布からのズレはさらに大きくなり、RF磁場(B1)の不均一を生じる。特に、腹部では大きくズレが生じ、画像ムラを生じさせている。そこで、出力する位相を90°から変化させたり、振幅を変えたりすることで、うまくRF磁場(B1)を正円形に近い形に戻すことができる(図3)。このように、送信の位相と振幅を調整してRF磁場(B1)の不均一を改善し、画像ムラを低減させる技術が、Multi-phase Transmissionである。

図3

図3 位相を変化させた場合と振幅を変化させた場合の回転磁場(※図はイメージです)

送信ポイントの4ポイント化

このようにMulti-phase Transmissionでは、位相と振幅を変化させて送信するので、いかに精度良く位相と振幅を制御できるかが大変重要なカギとなる。そこで、RF磁場(B1)の精度を向上させるために、全身コイルの構造にも工夫を加えた。RFアンプを2台に増やし、全身コイルに供給するポイントを従来の2ポイントから 4ポイントに増やした。これまでの2ポイントでは、ポイント近傍は、意図した位相・振幅の状態になっているが、ポイントから離れると、挿入された人体の影響などにより意図した位相・振幅からずれてしまい、画像ムラを起こす要因の1つになっていた。この問題に対してポイント数を4ポイントに増やすことで、人体が挿入された場合の補正精度の向上が可能になった(図4)。
以上の技術により、さらに画像ムラの少ない均一な画像がより安定して得られるようになった(図5)。

図4

図4 RFアンプとポイント数を増やすことによる位相と振幅の最適化(イメージ図)

図5

図5 Multi-phase Transmission撮像例

今後に期待されること

3Tにおいて、全身コイルへの供給を4ポイントにしてMulti-phase Transmissionを使用することにより、腹部でもムラのない均一な画像が撮像可能になった。3Tでは困難とされていた体幹部でも幅広く使うことができるようになる。3Tのメリットである高S/Nを生かした高分解能など、踏み込んだ撮像ができるようになる。また、TrueSSFPなどフリップアングルの制約が厳しい撮像の幅を広げることも期待できる。
さらに、従来は撮像不可能であった非造影MRAも使用可能となり、Time-SLIP法などとの組み合わせにより、真の意味で3Tの性能を引き出した新しい領域が拓かれることが期待される。

  • ※画像はすべてボランティア画像であり,撮像にあたっては同意書をもらって行っています。
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