ニュースリリース

東芝メディカルシステムズ株式会社
2016.01.26

迅速・簡便なGenelyzerII用「ウシ呼吸器病遺伝子検出キット」のサンプル出荷開始について

ウシ呼吸器用DNAチップカード
ウシ呼吸器病遺伝子検出キット

概要

東芝メディカルシステムズ株式会社(本社:栃木県大田原市 社長:瀧口 登志夫)は、牛呼吸器病症候群(BRDC)(注1)に関連する9微生物種の遺伝子を同時検出可能な研究用試薬「ウシ呼吸器病遺伝子検出キット」(以下、本キット)を本年2月中旬より全国農業協同組合連合会(以下、JA全農)家畜衛生研究所にサンプル出荷し、実用性評価を行った後、一般販売を開始します。
当社の親会社である株式会社東芝(以下、東芝)では、農林水産省 農林水産業・食品産業科学技術研究推進事業(平成25年度から27年度)「普及型オンサイト家畜感染症検査システムの開発」(注2)(以下、本事業)の代表機関として、JA全農家畜衛生研究所らと共に本キットの開発を進めてきました。2015年12月1日付で東芝より関連事業を吸収分割により承継し、当社の分子検査ソリューション事業で引き続き本キットの開発を進め、この度、サンプル出荷を開始することとしました。

従来法は微生物ごとに検出作業を必要としますが、本キットは、当社のDNA検査装置「Genelyzer™II」で使用することにより、遺伝子増幅から検出・解析までを全自動・短時間(約85分)かつ9種同時に行えるため、作業の効率化を実現します。

牛の感染症による死亡は畜産業に多大な損害を与えており、死亡率低減による生産性向上が求められています。本事業のアドバイザーであり実証試験にもご協力いただいた、あかばね動物クリニック 鈴木保宣先生からは「呼吸器病における重要な細菌とウイルスの遺伝子を一斉に検出することにより、複合感染の病態が解明できます。また、なによりオンサイトで短時間に結果が得られることが大きなメリットです。」との評価をいただいており、本キットの活用が期待されています。

当社は、本キットの実用化により、分子検査ソリューション事業の拡大と共に、日本の農畜産業への更なる貢献を進めてまいります。本キットは2月26日から28日に秋田キャッスルホテルで開催される平成27年度日本獣医師会獣医学術学会年次大会に出展されます。

なお、当社が承継した東芝のDNA検査システム事業では、農畜産物の生産性・品質・価値向上のためのDNA検査システム、トレーサビリティシステムの開発について2012年に農林水産省より認定を受けており、これまでに「コメ品種識別用検査キット(310品種を識別可能)」を実用化しています。

新製品の主な特徴
(1)複数遺伝子の一括検出

一度に9微生物種の遺伝子の検出が可能であるため、手作業を大幅に削減し、検出時間の短縮を実現しました(従来法では同時に複数微生物種の遺伝子を検出するためには、遺伝子増幅工程を行う装置を複数台揃える必要があります。)。

(2)簡便・短時間な操作

    遺伝子検出の工程は遺伝子の「抽出」「増幅」「検出」「解析」の作業が必要です。従来法では、各工程をそれぞれ別作業で処理していました。
    本キットの場合、市販のキット等で「抽出」作業を行った後、キット内のDNAチップカードに注入し「Genelyzer™II」にセットするだけで「増幅」から「解析」まで全自動で、かつ約85分という短時間で行うことができます。

    <DNAチップカードについて>
    遺伝子を解析するための分析ツールで、複数のDNA断片が電極上に固定化されたもので、本キットの場合、各微生物間で異なる遺伝子を識別できるDNA断片が電極上に固定されています。牛の鼻汁もしくは鼻腔スワブから抽出した核酸溶液をカードに注入し、カード内で遺伝子を増幅、電極上のDNA断片と結合させ、どのDNA断片と結合するかを調べることで、解析対象の遺伝子を特定します。

    (3)信頼性の確保

      DNAチップ上でDNA断片との結合(ハイブリダイゼーション)を行っているため、非特異検出を防ぎ、高い信頼性を確保しています。また、DNAチップカードは完全密閉構造かつ使い捨てであるため、増幅産物の漏出によるコンタミネーションの発生リスクがありません。

ウシ感染症遺伝子検出キット
DNA検査装置「Genelyzer™II」とウシ呼吸器病遺伝子検出キット(中央)
      ウシ感染症遺伝子検出キット
ウシ呼吸器病遺伝子検出キット(スケールの単位cm)

販売名 ウシ呼吸器病遺伝子検出キット
型式名 DGLK-0002A
遺伝子検出対象微生物 マイコプラズマ・ボビライニス
マイコプラズマ・ディスパー
マイコプラズマ・ボビス
マンヘミア・ヘモリティカ
牛RSウイルス
牛ウイルス性下痢ウイルスI型
牛ウイルス性下痢ウイルスII型
牛コロナウイルス
牛ヘルペスウイルスI型
使用サンプル 牛の鼻汁もしくは鼻腔スワブから抽出した核酸溶液
保存条件 -50℃~-20℃
推奨抽出法(注3) 抽出キット:SepaGene・・・エーディア株式会社
自動抽出装置:mag LEAD 12gC/6gC・・・プレシジョン・システム・サイエンス株式会社

注1 Bovine Respiratory Disease Complex
注2 プロジェクトNo.25081C。参画機関:東芝、JA全農家畜衛生研究所、JA全農ET研究所、国立大学法人 長崎大学熱帯医学研究所
注3 推奨抽出法は、本キットの性能検証において使用した抽出キットおよび自動抽出装置であり、性能を保証するものではなく、また、その他の抽出キット、自動抽出装置が使用できないということではありません。

※ 本製品は、医薬品医療機器法の対象外製品の為、診断、治療を目的とした販売、授与はできません。研究・実証実験・評価用としての使用を想定しています。

【東芝メディカルシステムズについて】
当社は、株式会社東芝 ヘルスケア社の一員として、疾病の早期診断、早期治療のための患者さんにやさしいさまざまな医療システム・サービスを世界135カ国以上に提供しています。当社の経営スローガンである「Made for Life™」(患者さんのために、あなたのために、そしてともに歩むために)のもと、みんなが健康でいきいき生活できる社会の実現を目指します。
東芝メディカルシステムズ株式会社 ホームページ:http://www.toshiba-medical.co.jp/

【地球環境への取り組み】
当社は、より良い地球環境の実現のため、開発、調達、製造、販売、サービス、廃棄段階まで一貫して環境への影響に配慮した医療機器・システムを提供しています。地球温暖化防止をはじめとし、医療放射線被ばくの低減、資源有効活用、化学物質の管理など推進し、地球との共生や豊かな価値の創造のために環境保全に取り組みます。
東芝メディカルシステムズ株式会社 環境活動:http://www.toshiba-medical.co.jp/tmd/company/env/
株式会社東芝 環境活動:http://www.toshiba.co.jp/env/jp/index_j.htm

Genelyzer、Made for Lifeは東芝メディカルシステムズ株式会社の商標です。

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